琴の調子
琴には13本の弦がありますが、演奏の前に、13の音の高さが正しい音の間隔になるように調弦しなければなりません。この音の間隔のうち、よく使われる音の並び方には、それぞれ〇〇調子という名前が付けられています。
主な調子はこちら
ここで重要なことは、調子は13個の音の並び方の取り決めなので、同じ平調子であっても、高い平調子もあれば、低い平調子もあるということです。そこで一の弦をどのような高さにとるかを決めることによって、一つの調子と音域が確定します。ここでは、一を全てD(壱越)にした譜例で示しますが、本来は、琴の調子はあくまでも相対音高であることに注意してください。
平調子
琴の調弦の基礎となる調子は平調子です。
平調子の代表的な曲は、六段の調、みだれ、秋の言の葉、手事などです。
雲井調子
雲井調子は、平調子から三と八を半音下げ、四と九を一音上げます。
本雲井調子は、雲井調子からさらに巾を半音下げて八と1オクターブに合わせたものです。
半雲井調子は、平調子から八を半音下げ、九を一音上げます。13本のうち、一から七までは平調子、五から巾までは雲井調子なので、半分だけ雲井調子という意味です。
中空調子
平調子から六と斗を半音上げ、七と為を一音下げます。
古今調子
平調子から四と九を一音上げ、二と七を同音にします。
楽調子・乃木調子
平調子や雲井調子等の陰音階だけではなく、陽音階の調子もあります。
その代表的なものは楽調子です。楽調子の「楽」は雅楽の楽で、平調子が考案される以前に用いられた調子です。
楽調子は、平調子から四と九を一音上げ、六と斗を半音上げます。
乃木調子は、平調子から四と九を半音上げ、六と斗を半音上げます。
その他の調子
上記以外にも、岩戸調子、花雲調子、夏山調子、秋野調子、巾十調子、秋風調子等、多くの調子が存在します。